Yuji Okamoto Seminar and Interview

5月4日に墨田区総合体育館にて岡本裕士セミナーが開催されました。セミナーはコムロック編と一番絞り編の2部構成。いずれも入り方から、極め方の基本、相手の対応によるバリエーションまで、かなり詳しいところまで惜しげもなく解説。極めの引き出しを増やしたいという人には絶好のセミナーだったと思います。

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岡本選手がまず実演し、その後各参加者が2人1組になって技を試していきます。岡本選手は会場をくまなく回って一人ひとりに細かく解説、質問にも丁寧に答えていました。絞めというのは感覚的で、なかなか本や映像で見ただけでは伝わらないところがありますが、実際はポイントをきちんと押さえておけばきちんと極まります。こういう機会に絞めのスペシャリストに直接指導してもらえるのは本当に貴重だと思います。

セミナーは、コムロックが12:30~14:30の2時間 、一番絞りが14:40~16:10の1時間半でしたが、岡本選手はそれぞれの時間内で可能な限り知っていることを教えようとしていました。コムロックや一番絞りなどは、グイグイ力を入れてもどうにも極まらないということが多い技ですが、今回参加した人たちはかなりそのあたりのコツを体感できたのではないでしょうか。

 

特別公開・一番絞り講座<基本編>

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最初はクロスニーパスから入ります。片襟と膝をつかみ、一端左足を後方に下げてから思い切って左方向に左足を踏み出すと同時に右すねで相手の左太ももを一気に潰します。

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仰向けだった相手の体勢が一気に横向きに。

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受け手が変わっていますが、上の写真の別角度です。右すねで相手の右腿をしっかり抑え込んでいます。

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ここで左手の補助を使いながら片襟をさらに深く取り直します。左足は左前方に置き、相手がこちらの尻を蹴って前に倒してくるのを防ぎます。

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相手が起き上がれないようであれば、立てていた左膝を相手の脇に置き、右膝を立てます。

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いよいよ絞めに入るため、相手が寝ていたら手前に引き起こします。右手は相手の襟を深くつかんだまま。

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左手で帯をつかみ、自分の左脇腹の下のあたりを相手の首筋に当て、相手の背中をマットにつかせるように倒れていきます。

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頭をマットにつけ、脇を相手の首に押し当てながら反時計周りに回転していくと一番絞りの完成。

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一番絞りは別名「脇絞め」と言いますが、相手の首に当てるのは脇ではなくあくまで肋骨のあたりです。また、自分の胸と相手の肩との間に指一本さえ入らないよう隙間を埋めることが大切です。

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また、一番絞りには相手の対応にあわせていくつかの応用テクニックがあります。詳しくは次の岡本裕士セミナーにぜひご参加ください。

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この日はコムロック講座の方も絶好調。普通に脇を抱えるのではなく、ひたすらタイトに抱える岡本スタイル。一端捉えられたら抜こうと思っても抜けません。

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コムロックからの突っ込み絞めの解説も実にわかりやすかったです。この写真は突っ込み絞めのポイントを解説している様子ですが、これだけ見てもわかりませんよね。詳しく知りたい人はぜひ次回のセミナーに参加してみてください。RJJオフィシャルサイトはこちら

 

<岡本 裕士インタビュー>

柔道での挫折と寝技との再会、そして一番絞りマスターへ

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——柔術を始めるに至った経緯を教えてください。

僕はもともと足立学園で柔道をやっていて、卒業してからは柔道の実業団で警備会社に勤めていました。しかし腰を悪くして柔道ができなくなってしまい、鉄道会社の方に中途入社をして今に至っています。

——腰の方はどのような症状なのですか。

医者からは坐骨神経痛と言われました。立ち技をやるのがかなりしんどくなってしまい、寝技ならなんとかなるかなと思って最初は高専柔道の寝技研究会に行き始めるようになったんです。そこで足立学園の同級生だった小室宏二君と再会し、彼からパラエストラ東京の昼柔術を紹介されて、それから柔術を始めるようになりました。それが2006年の6月頃のことです。

——黒帯になったのは?

2010年の末頃です。だいたい4年半で取りました。

——あっという間ですね。主に誰に習ったというのはあるんですか。

いや、基本的には昼柔術で練習して、周りの方の技をよく観察して、盗んで覚えていった感じです。

最初は横三角とか片襟片袖からの帯を持った返しとか柔道時代の寝技しかできませんでした。柔道時代もあまり寝技もやっていなかったんです。パラエストラ東京でみなさんがスパーリングしたり、スパーリング後に少し研究したりしているのを、横目でチラッと盗み見していました(笑)。

——足立学園での寝技というのはどのようなものだったのでしょうか。

寝技の時間はかなり長かったですね。高専柔道の平田鼎先生もよく練習しに来てくれていました。でも高校時代の僕は立ち技が好きだったので、当時はあまりやっていなかったんです。小室くんは当時から寝技が得意な選手でしたが、僕は立技の得意な選手でした。

——柔術を始めてみたときの印象はどのようなものでしたか。

柔道だと待てがあるし亀の攻防がある。また、上から攻めたり固めたりという形が多いわけですが、柔術はPRIDEなど総合格闘技にイメージが近く、パスガードやスイープ、下からの三角絞めや腕十字など動きが多彩で面白そうだなと思いました。

——しかし昼柔術で見て覚えてここまで来たっていうのがすごいですね。

あとは教則DVDなどを見て研究しました。今までで良かったのは、大賀さんの「寝技の学校」ですね。引き込み編と抑え込み編。あとは柏崎先生の「寝技で勝つ柔道」でしょうか。それと早川光由さんの「初めてのブラジリアン柔術」を茶帯の頃に見始めました(笑)。

——早川さんの教則書というと、やはりそれまでやってきた寝技との違いも大きかったのではないでしょうか。

たしかに技術の違いはありました。でも、とにかく目から鱗の連続だったんです。難しそうだなと思ったテクニックでも、一旦はしばらく継続してやってみて、自分に合っているなと思った部分は、積極的に取り入れました。

——岡本選手というとやはり「一番絞り」が代名詞のようになっていますが、この一番絞りが得意技になった経緯を教えてください。

自分がコムロックをやったときに小室君に比べて極めの精度が低かったので、何か連携できる技がないか研究していたんです。そんなとき、「寝技で勝つ柔道」のDVDを見ていて、片襟を持ち、体側で絞めるこの技になぜか惹かれました。練習で試してみたら思いのほかしっくりきて何度かスパーリングで極めていたら、やられた人がボソッと『一番搾りだ……』とつぶやいたんです。 おっ!これはいただきだと思い、「搾り」を「絞り」に変えて、勝手に『一番絞り』と命名しました。

——いや、インパクトのあるわかりやすい名前で素晴らしいと思います。ところで岡本選手の帯は誰からもらっているんですか。

青帯は2006年の7月に大賀先生にいただいて、紫帯は2年後ぐらいに林俊介さんからいただきました。それからも何度か入賞、優勝をして、全日本で優勝したときに中井先生に茶帯をもらい、その後ヒクソン杯でラルフゴーから一本勝ちした時に中井先生から黒帯をもらいました。中井先生は柔術を始めた頃からお世話になっていたし格闘技界のレジェンド的存在でもあるし、黒帯は中井先生からもらいたいと思っていたので本当に感無量でした。

——いまはRJJというアカデミーを主宰しているんですよね。

2010年ぐらいからサークルを始めて、2013年1月から正式にアカデミー化しました。いまは公共施設で週2回ぐらいのペースで活動をしています。

——もう1年半ぐらいですね。これから大きくなっていくところですね。

いや、あまり数を増やそうとは思っていません。仕事と家庭もあるのでバランスよくやっていこうと思っています。選手としては、いまはもうムンジアルというのは考えてないんですけど、会員さんで自分の試合を見たことがない人もいるので、全日本やアジアオープンみたいな大会に出場して優勝する姿を見せられたらいいなと思っています。

——岡本さんが考える、上達のために必要な練習ってどのようなものですか。

テクニックも打ち込みももちろん大事ですが、個人的にはやっぱりスパーリングが一番かなと思います。ほとんどそれだけでやってきたので。最近は、取り入れたばかりのテクニックとか苦手な展開を克服するときには打ち込みも大事だなと思うようになってきましたが、最終的に技に磨きをかけていくのはやはり相手が防いだりやり返したりしてくるスパーリングの方が実戦的かなと思います。

——白帯や青帯の人たちに向けて、何かアドバイスなどありますか。

始めたばっかりの人はやっぱりいい先生にきちんと教えてもらうことが大事かなと思いますね。まずは良いやり方、正しいやり方を教えてもらった方が上達も早いでしょう。同じ三角絞めでもやる人で全然極まり具合が違いますから。この先生がいいと思ったらとにかくひと通りしっかり教えてもらって、あとは自分に合ったものを自分なりに身につけていくというのがいいと思います。

——わかりました。今日はありがとうございました。

 

 

 

 

 

わかりづらかった絞めのポイントを徹底解説。
大賀幹夫の「寝技の学校<絞め技編>」!

 



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